2-6 デッドバグ

〜腰を反らさず、安全に体幹を鍛え上げる〜

「デッドバグ(死んだ虫)」というユニークな名前のこのトレーニングは、仰向けの状態で手足を動かし、体幹部を鍛えるエクササイズです。

腹横筋などのインナーマッスルを使い、「腰を床に押し付けた状態(腰が反らない状態)」をキープすることが最大のポイントです。

ご自身の筋力に合わせて、レベル1から無理なく始めてみましょう。


【回数】 1セット 8回 ×2セット


【医学的理由】

ポイント 1 腰痛を防ぐ「アンチ・エクステンション(反り腰防止)」能力の向上

手足を動かすと、人間の体は無意識に骨盤が前に傾き、腰が反りやすくなります。

デッドバグは、手足の重さを負荷にしながら「腰の反り(腰椎の過伸展)に抵抗して、お腹を平らに保ち続ける」能力を鍛えます。

これにより、歩行時や腕を上げる際の無意識な「反り腰」を防ぎ、日常生活における慢性的な腰痛を根本から予防します。

 

ポイント 2 椎間板に負担をかけない安全な「腹腔内圧(腹圧)」のコントロール

一般的な「上体を起こす腹筋運動」は、腰部に強いストレスをかけるため、腰痛疾患のある方にはリスクが伴います。

デッドバグは背骨を動かさずニュートラルな状態に保ったまま行うため、ヘルニアや脊柱管狭窄症の不安がある方でも、

背骨に負担をかけずに安全かつ強くインナーマッスル(腹横筋)と腹腔内圧を高めることができます。

 

ポイント 3 体幹の安定と「四肢の独立運動(ディソシエーション)」の脳トレーニング

肩痛や股関節痛の多くは、体幹が不安定なために「手足の動きを腰や肩甲骨で代償(かばって動く)してしまう」ことで引き起こされます。

デッドバグは「体幹(中心)をカッチリと固定したまま、手足(末梢)だけを独立して滑らかに動かす」という、人間の正しい身体の使い方(モーターコントロール)を

脳と神経に学習させる、非常に優れたトレーニングです。


【NGポイント】


全レベル共通のNGポイント:腰が浮いてしまうこと

手足を動かす際、背骨(腰の部分)が床から離れてしまうのはNGです。

腰を反らせた状態で続けると、トレーニングではなくかえって腰痛の原因になります。

「常におへそを床に沈める」意識を持ち、腰と床の間に隙間ができないように注意しましょう。



デッドバグ シングルレッグ

初級(デグレッション)

 まずは手を使わず、足の動きに対して体幹を安定させる感覚を掴みます。

1 開始姿勢

はじめる準備をします。

仰向けになり、股関節と膝を45°に曲げます。

両手はお腹に当て、腰が反っていないか確認します。

2.動作姿勢

片脚ずつ、足を延ばします。

股関節・膝を90°まで曲げ、維持します。

3.動作開始姿勢

反対の脚を伸ばします。

息を吐きながら、左脚を床すれすれまでゆっくり伸ばします。

腰が浮きそうになったら、そこでストップ!交互に行います。

3.維持姿勢

完成型です。

同じように、右脚を床すれすれまで伸ばしましょう。



デッドバグ (コントラ ラテラル)

中級(標準)

デッドバグ シングルレッグができるようになったら、いよいよ腕の動きも加えます。

1 準備姿勢

はじめる準備をします。

仰向けになります。両手は天井に向けてまっすぐ伸ばし、股関節と膝を45°に曲げます。

2.開始姿勢

両手・脚を上げます。

開始姿勢のまま、股関節・膝を90°まで曲げ、維持します。

おなかに力をれ、腰が反らないように確認します。

3.動作開始姿勢

上下肢を伸ばします。

右腕と左脚をペアにして、息を吐きながらゆっくり伸ばします。

体幹を安定させることを意識して行います。

腰が浮きそうになったら、そこでストップ!交互に行います。

3.維持姿勢

反対側を行います。

同じように、今度は反対の「左腕と右脚」をペアに床すれすれまで伸ばしましょう。

8回繰り返します。



デッドバグ (アイプシラテラル)

上級(プログレッション)

さらに難易度を上げ、体幹の「回旋(ねじれ)」に対する抵抗力(アンチローテーション)を高めます。

1 準備姿勢

はじめる準備をします。

デッドバグと同様です。両手は天井に向けてまっすぐ伸ばし、股関節と膝を45°に曲げます。

 

2.開始姿勢

両上下肢を上げます。

開始姿勢のまま、股関節・膝を90°まで曲げ、維持します。

おなかに力をれ、腰が反らないように確認します。

3.動作姿勢

同側の上下肢伸ばします。

左腕と左脚をペアにして、息を吐きながらゆっくり伸ばします。

体幹を安定させることを意識して行います。

腰が浮きそうになったら、そこでストップ!交互に行います。

3.維持姿勢

反対側を行います。

同じように、今度は反対の「右腕と右脚」をペアに床すれすれまで伸ばしましょう。

8回繰り返します。



回数を多くこなすことよりも、「腰が浮かないこと」を最優先に、

ゆっくりとコントロールしながら行いましょう。


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記はあくまで基本のフォームであり、人間の骨格、関節の可動域、筋肉の硬さは一人ひとり全く異なります。

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